朝日杯で人気を集めるであろうレッドベルジュールや東スポ杯を圧勝してクラシックの主役に躍り出たコントレイルなど、共通するのはディープインパクト×Unbridled’s Songの組み合わせの配合です。
この配合を今一度データで整理しておくことにしましょう。
検証ポイント
1. ディープインパクト×Unbridled’s Songは好相性か
2. ディープインパクト×Unbridled’s Songは早熟か
※データはすべて2019/12/11時点でのものです。
まずは図1で父ディープインパクトの母父Unbridled’s Songとその他の母父の重賞成績を比較しています。
図1.ディープインパクト×Unbridled’s Songの頭数と重賞勝ち馬
まずディープインパクト産駒が1529頭おり、その内のたった21頭で1.4%しかいないのが母父Unbridled’s Songです。
サンプルが少ないため、かなり統計的な信頼は低いですが、これは競馬の世界では頻繁にあることなので目をつぶりましょう笑。
そして母父Unbridled’s Songはディープ産駒全体の重賞勝ち馬のうち2.6%を占めており、頭数比率よりは約2倍高い割合となっています。
このことから母父Unbridled’s Songは平均的なディープ産駒よりも重賞勝ち馬率は高く、良い相性の血と言えるでしょう。
加えて勝率や回収率も比較してみましょう。
図2.ディープインパクト×Unbridled’s Songの馬券成績
サンプル数に大きな差はありますが、ディープインパクト×Unbridled’s Songの組み合わせの馬券内率が高いことがわかります。回収率は他の母父とほぼ同じです。
もう少し具体的に、母父Storm Catとの比較も加えておきましょう。
あの有名なニックスにも劣らない数字ではありますね。
また逆に母父Unbridled’s Songからの視点で、父ディープとそれ以外を比較したのが次の図4です。
母父Unbridled’s Songの馬の内で、父ディープは9.2%に過ぎないにも関わらず、重賞勝ち馬を7頭中3頭出しており、比率からいえば大成功な組み合わせだと言えます。
より正確に言えば、母父Unbridled’s Songは父ディープインパクトによって、成績が大きく上昇するということです。
とはいえ、重賞勝ち馬は3頭のうちの2頭は今年の2歳世代のレッドベルジュールとコントレイルで、それまでに重賞を勝っていたのはダノンプラチナのみ。
ダノンプラチナも2歳時に朝日杯を制して以降は、重賞は富士S勝ちのみで3歳以降の成績は(2−0−3−5)とディープ産駒としては威張れる成績ではないでしょう。
つまり早熟性の高い配合ではないか?という疑いが浮かびます。
というのも、このディープインパクト×Unbridled’s Song配合からの20頭は、母の母の父がTiznow,Gone West,Silver Ghost,Storm Cat,General Meeting Slew o’Goldの6パターンでいずれもアメリカ系の血統です。
Unbridled’s Songもアメリカの名血なので、アメリカ血統全開の配合馬になるので早熟性が高いのでしょう。
ディープ産駒の代表産駒たちは、軒並みヨーロッパのノーザンダンサー系の血を持っており、いわゆる王道の成功パターンからは逸れるのだと思います。
データを確認しましょう。図5.は母父Unbridled’s Songとその他の母父とを、出走割合と勝利数の割合を比較したものです。
図5.ディープインパクト×Unbridled’s Songの出走割合と勝利数割合
ディープインパクト×Unbridled’s Songは、相対的に2歳時の出走数・勝利数ともに高い割合を占めています。
3歳時には大きな差がないですが、4歳以降はそもそもの出走数が減っていきます。それは早熟ゆえに能力の伸びに期待できずに引退させるパターンも含まれているでしょう。
また重賞成績もディープインパクト×Unbridled’s Songは4歳以降は7回出走して1度も連対していません。
となればディープインパクト×Unbridled’s Songの組み合わせは2歳時の完成度が高いと言えます。
そう考えると、コントレイルの東スポ杯の圧勝なんかも、過信は禁物であると言えます。2歳時における完成度の高さ分は割り引いて考えるべきでしょう。
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