[種牡馬モーリス] サンデーのインブリード不要説をデータで検証する。

どうも。サンデーサイレンスのインブリードに興味津々な、吉田しげるです。

この記事では、「種牡馬モーリスの産駒の成功にとって、サンデーサイレンスのインブリードが不要なのでは?」という問いを、データで検証します。

モーリス産駒とサンデーのインブリード

まず、モーリス産駒について、サンデーサイレンスのインブリードが「ある馬」と「ない馬」で成績を比較します。

・インブリードが「ある馬」:勝ち馬率は高いが、大物は出ない傾向

・インブリードが「ない馬」:勝ち馬率は低いが、大物が出る傾向

このように、見る角度によって、サンデーサイレンスのインブリード効果は変わってきます。
なので一概に、モーリス産駒にサンデーサイレンスのインブリードが不要かどうかは、判断が難しい問題です。
ただ、もう一歩掘り下げて考える余地はあります。
そもそもモーリスに限らず、サンデーサイレンスのインブリードは有効なのか?という問題。

サンデーサイレンスのインブリードが成功する種牡馬・失敗する種牡馬

以下の表では、サンデーサイレンスのインブリード頭数が50以上の種牡馬に限定したデータです。

各種の値は「1」を超えれば、サンデーサイレンスのインブリードがある場合にその値が伸びるということです。

(サンデーサイレンスのインブリードあり)÷(サンデーサイレンスのインブリードなし)

産駒1頭あたりの平均賞金(矢印部分)に注目します。

青のラインより上に属する種牡馬(6頭)は少数派で、サンデーサイレンスのインブリード効果は、種牡馬により異なることが分かります。

エピファネイア産駒からエフフォーリアやデアリングタクトが輩出され、それだけでもサンデーサイレンスのインブリードは成功と言っていいと思います。

とはいえ一方で、青のラインより下の種牡馬(15頭)は、サンデーサイレンスのインブリード保有馬だと、産駒のクオリティが落ちます。

そこにはモーリスも含まれます。

はたしてこの傾向が一時的なものか、今後も続きそうなものか、を考えておく必要があります。

というのも、競馬はどんどんデータが更新されていきます。

なので、「一時的な傾向」と「ずっと続きそうな傾向」を見極めることが大事です。

サンデーサイレンスのインブリードの濃度

「一時的な傾向」と「ずっと続きそうな傾向」を見極めるには、因果関係を見つけることが大事です。

仮にデータが少なくとも、正しい因果関係を見つけていれば、今後もその傾向が続く可能性が高い。

ここでは、サンデーサイレンスのインブリードの濃度に着目します。

以下のグラフは、横軸がサンデーサイレンスのインブリードの濃度を、縦軸がサンデーサイレンスのインブリードによる効果を表します。

ある意味定説通り?インブリードは濃すぎないほうが良い結果が出ていマス。

インブリードが薄いグループ(赤丸)には、インブリードが効果的です。

逆に、インブリードが濃いグループ(黒丸)には、インブリードが効果になっています。

いずれのグループにも例外な種牡馬がいて、モーリス(矢印部分)はサンデーサイレンスのインブリード濃度が平均的に薄いグループにもかかわらず、インブリードが逆効果になっています。

つまり、サンデーサイレンスのインブリード濃度は、その効果と相関する傾向があるものの、モーリスはその例外に属するので、これではモーリスにサンデーサイレンス不要説の根拠にはなりません。

視点を切り替える

他の切り口って何があるかな?と考えた時に、モーリスというとロベルト系特有のパワフルさがあり、重厚な馬体の馬が多い。つまり、コルトサイアー(牡馬に優秀な産駒が偏る)疑惑がある。

一方でサンデーサイレンスは、言うまでもなく、しなやかで唯一無二な瞬発力を伝える。

そう考えると、産駒のセックスバイアスとサンデーサイレンスのインブリード効果に、何らかの相関があるのではないかと仮説が浮かんだ。

仮説:「コルトサイアーはサンデーサイレンスのインブリードで成績を落とす」

セックスバイアスとサンデーサイレンスのインブリード効果

ここも一貫して、サンデーサイレンスのインブリードを保有する産駒が、50頭以上いる種牡馬に限定して検証します。

すると、なかなか興味深い結果が得られました!

セックスバイアスとサンデーサイレンスのインブリード効果

横軸;1以上ならコルトサイアー(牡馬型)、1以下ならフィリーサイアー(牝馬型

縦軸:1以上ならサンデーのインブリードで成績UP、1以下なら成績DOWN

全般的に牡馬の方が賞金を稼ぐので、ハッキリとしたフィリーサイアーはわずかではあるものの、サンデーサイレンスのインブリードで成績がUPする種牡馬は、軒並み牝馬の成績が良いことが読み取れます。(パドトロワを除く)
対照的にモーリスを含むコルトサイアーは、大半が縦軸の1を下回り、サンデーのインブリードで成績を下げていることが読み取れます。
ここまでを総合します。

モーリスはサンデーサイレンスのインブリード保有馬の成績が良くない。

それは、サンデーサイレンスのインブリード濃度が薄くなる種牡馬としては例外的。

しかし、モーリスがコルトサイアー的な傾向を持つことから、サンデーサイレンスのインブリードが合わないパターンに該当する。

コルトサイアー的なモーリスは、今後もサンデーサイレンスのインブリードでうまくいかない可能性が高いことの一つの根拠は、ひとまず、示せたのではないでしょうか。

おまけ

おまけとして、モーリス産駒が、サンデーサイレンスのインブリードを含む場合と含まない場合とで、産駒傾向がどう変わるかを添えておきます。

サンデーサイレンスのインブリードを含む場合:距離適性長め 芝寄り

サンデーサイレンスのインブリードを含まない場合:距離適性短め 芝ダート両にらみ

2歳時とか出走データが少ない場面では、産駒の適性を推し量るのに有効かもしれません。

サンデーサイレンスのインブリードを含む場合に、「距離適性長め 芝寄り」という傾向が出ている通り、結局サンデーサイレンスを重ねることで、芝の王道路線に適性が向かいます。

ただ、そこは日本競馬のもっとも争いの激しい分野。

エピファネイアやディープインパクト、ロードカナロアなど、そもそもの切れ味が優れた種牡馬たちとの戦いで苦戦することが、サンデーサイレンスのインブリードを保有するモーリス産駒の成績が低く出ている原因ともいえるでしょう。

サンデーサイレンスを重ねず、パワーとスピードに振り切った産駒の方が、相手関係を考えたときに成功しやすいことの裏返しです。

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